映画『ガッチャマン』こそ日本版『アベンジャーズ』!松坂桃李と綾野剛が再び変身ヒーローに!

おたのしみ

2013年劇場公開の映画『ガッチャマン』は、懐かしの名作TVアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』の待望の実写化作品でした。

ところが公開当時は、前年の2012年に公開された『アベンジャーズ』1作目と比較されたり、オリジナル版からの大幅な変更が賛否を呼ぶなど、残念ながら決して正当な評価を得たとは言えない結果に終わってしまうことに・・・。

しかし、『アベンジャーズ』シリーズの最終章『エンドゲーム』が日本でも絶賛されている現在の眼で振り返ってみると、実は意外にも『インフィニティ・ウォー』や『エンドゲーム』の内容を先取りしていた?とも言える内容だったことに気付かされるのです。しかも、特撮ヒーロードラマでデビューを飾った松坂桃李と綾野剛が、再びヒーローとして復帰・共演するのですから、むしろ現在の状況で観てこそ、本作を本当に楽しむことが出来るのではないでしょうか。

そこで今回は、正に日本版『アベンジャーズ』とも言える映画『ガッチャマン』を、もう一度振り返ってみたいと思います。

『ガッチャマン』あらすじ

謎の侵略者の襲撃により、わずか17日間で地球の半分が壊滅した近未来。人類は最後の希望を「石」と呼ばれる未知の結晶体に望みを託していた。「石」の力を引き出せる「適合者」として集められた若者たち、大鷲の健(松坂桃李)、コンドルのジョー(綾野剛)、白鳥のジュン(剛力彩芽)、燕の甚平(濱田龍臣)、みみずくの竜(鈴木亮平)は、特殊な訓練を強制され、やがて「石」を操る科学の忍者「ガッチャマン」として、侵略者との過酷な戦いに身を投じていくのだが・・・。

ズバリ、見どころはここ!

本作の魅力は、やはりその豪華なキャスティングにあります。

『仮面ライダー555』で敵側のオルフェノクの一員を演じた綾野剛と、『侍戦隊シンケンジャー』のシンケンレッド役でデビューを飾った松坂桃李の夢の競演が実現する上に、本作と同時期にあの『変態仮面』の撮影を行っていた鈴木亮平、更には、その後成長してウルトラマンジードを演じることになる濱田龍臣に、紅一点の女性メンバーとして剛力彩芽も加わるという、正に特撮ファンには夢の様な光景が展開するからです。

公開から実に6年が経過した現在の眼で見ると、当時よりも更に豪華な印象を受ける出演キャスト陣なのですが、それ以外にもハードなSFアクションと思わせて、実は隊員たちのラブストーリーが絡んで来たり、映画中盤では『ミッション・インポッシブル』的な作戦行動が中心になるなど、アニメ版のヒーロー像とは一味違い、あくまでも人間ドラマ中心に描こうとする本作の姿勢は、非常に注目すべきものがあります。

ただ、衣装デザインやセットなどのビジュアル面が、公開当時全盛を誇っていた『アベンジャーズ』や『アイアンマン』などのアメコミ映画の影響を強く受けている点は、確かに当時の観客に違和感や誤解を与える要因となったのでは?そう思わずにはいられませんでした。

例えば、映画冒頭から展開する激しいアクションシーンの雰囲気や、ガッチャマンたちの周りをカメラがグルっと回るシーンなどは、やはり『アベンジャーズ』からの影響が強く、特に戦闘スーツに身を包んだ敵役の中村獅童が手の平からビームを出すシーンは、正にアイアンマンそのものだったからです。

ただ、ガッチャマンたちの強大なパワーの源である、謎の”石”と呼ばれる不思議な結晶体を巡っての戦いや、敵の侵略により既に地球上の半分が壊滅しているという設定など、今見返すと『インフィニティ・ウォー』や『エンドゲーム』の設定を先取りしていた様な内容だったのには驚かされます。

謎の”石”の適合者という理由だけで強制的に集められ、来たるべき戦闘への訓練を受けた5人の若者たち。

映画独自の設定とアレンジにより、子供の頃から政府に利用される運命にあった若者たちが、大切な仲間と自身の意志で選択する自由を得るまでの成長物語として実写化した点は、単なる変身ヒーロー物に止まらない作品を目指した、製作側のチャレンジ精神の表れと言えるでしょう。

テレビアニメの様な”正義のヒーロー”ではなく、愛し、憎み、悩む、人間臭いヒーローとして現代に甦らせようとした挑戦は、果たして成功だったのか?アメコミ映画や特撮物への認知度が浸透している今だからこそ、是非鑑賞してみてはいかがでしょうか?

最後に

「オリジナルのアニメ版『ガッチャマン』へのリスペクトに欠けるのでは?」

2013年の公開当時は、そんな意見やレビューも多かった本作ですが、この6年間でアメコミ映画や特撮ヒーロー物への評価が変化した今、改めてこの作品を観るとまた別の楽しみ方が出来るのではないでしょうか。

例えば実写映画版独自のアレンジとして、ジョーと昔の恋人に健を加えた三角関係が展開する点は、松坂桃李や綾野剛ファンの方には見逃せない魅力ですし、映画冒頭のアクションシーンで中野サンプラザ前に突然出現し、ビル街を派手に壊しまくる敵の組織”ギャラクター”の巨大なタイヤ状メカと、それを迎え撃つガッチャマンたちとの激しい戦闘の連続は、子供の頃に見たアニメ版の世界観を見事に実写化してくれているのです。

実際、主人公たちが最初から完璧な正義のヒーローとして登場するのではなく、政府によって自身の意志とは関係なく強制的にガッチャマンにさせられた若者たちが、ヒーローとしての存在意義と使命感、そして信頼できる仲間たちの存在に気付くまでを描く物語は、松坂桃李がデビューを飾った『侍戦隊シンケンジャー』初期の展開を思わせるもの。

家族・恋人との平穏な生活や人並みの自由を奪われた彼らが、実は本心では闘うことを望んでなどいないことは、ジュンがガッチャマンのスーツを「醜いスーツ」と言ったり、”石”の適合者であるガッチャマンと敵のギャラクターが、実は表裏一体の存在であるという描写にも良く現れているのです。

『アベンジャーズ』シリーズが、予想外に日本人好みの”泣かせる人間ドラマ”として結末を迎えたことを踏まえて考えれば、決して完璧な正義のヒーローではなく、人生において選択の余地を与えられなかった彼らの悩みや悲しみの部分が描かれる本作こそ、正に日本が世界に誇る独自のヒーロー映画だと言えるのではないでしょうか。

人生を奪われた若者たちの再生のドラマとして見事に現代に蘇った、この『ガッチャマン』。

5月17日公開の松坂桃李主演映画『居眠り磐音』と合わせて観ると、また新たな発見ができる作品なので、全力でオススメします!

滝口アキラ
ライター:滝口アキラ「シネマズPLUS」公式コラムニスト、雑誌「昭和40年男」ライター。専門は映画コミカライズ研究。

配信サービス一覧

サービス 配信
Hulu 〇(見放題)
U-NEXT ×
Netflix ×
ビデオマーケット ×
フジテレビオンデマンド ×
dTV 〇(見放題)
dアニメ ×
auビデオパス ×
Paravi ×
Amazonプライムビデオ 〇(有料300円)

↓↓Huluで2週間無料!↓↓

ガッチャマンをHuluで見てみる