ロック歌手・エルトン・ジョンの栄光と孤独を名曲にのせて描いた感動作!『ロケットマン』

ロケットマン おたのしみ

こんにちは!公式ライターの愛です。

今回は、8月23日から公開されるイギリスを代表するロックスター、エルトン・ジョンの半生をミュージカル仕立てで描いた『ロケットマン』をご紹介します!

『ロケットマン』あらすじ

不仲な両親の間で寂しさを抱えて暮らす少年レジナルド・ドワイト。音楽の才能に恵まれた彼は国立音楽院に入学し、いつしかロックに目覚めていく。

ミュージシャンの道を歩み始めたレジナルド。応募したレコード会社で出会った作詞家・バーニーの書く詩に惹かれて、彼とコンビで曲を書き始め、歌手“エルトン・ジョン”と名乗るようになる。

LAの伝説的なライブハウス<トルバドール>に出演したことをきっかけにエルトンは一躍スターに。その後も数々の優れた楽曲とステージパフォーマンスで名声をほしいままにしていくが、多くの称賛を浴び栄光を手にしても、深い孤独を抱えた彼の心が満たされることはなく――。

天才・エルトン・ジョンの計り知れない孤独が胸に突き刺さる

本作は、ロック界の伝説的スターの一人・エルトン・ジョンが栄光を手にし、その影で孤独に蝕まれ、そして、再生していく物語。

少年時代から耳で聞いた音楽をすぐに覚えてピアノで弾いてみせるなど、類まれな音楽の才能の片鱗を見せるエルトン。やがて、ミュージシャンの道を歩み出した彼は、作詞家のバーニーと運命的な出会いを果たし、彼とチームで優れた楽曲を生み出すようになる。

実は同性愛者であるエルトン。バーニーに対して友達以上のものを感じていたが、バーニーが彼の想いを受け入れることはなかった。それでも、バーニーはエルトンへ惜しみない友情と敬意を表す。劇中で彼らの絆の証(あかし)となるのは、エルトンの代表作である『ユア・ソング(僕の歌は君の歌)』。バーニーが歌詞をエルトンに渡してあの名曲が生まれていくところは、なにげない中に深い感動がこみあげてくる名場面の一つだ。

その後、エルトンはLAのライブハウスで大成功を収める。その喜びを誰よりも分かち合いたかったのは、もちろんバーニー。しかし、その夜、バーニーがエルトンのそばにいることはなく、そのことがエルトンの心を深く傷つけてしまう。

歌手として一躍スターダムに駆け上がったエルトンは、自分に冷たかった父と再会する。今度こそ自分を認めてくれるのではと淡い期待を抱いていたに違いなかった。しかし、久々に会った父が彼に愛情を示すことはなかった。

マネージャーとなるジョン・リードと恋人になるも、その関係もうまくいかず、孤独に拍車がかかっていくエルトン。やがて、彼は苦しみから逃れるために薬や酒に依存して堕落していく。

どんなに成功を収めても、いつも愛する人は自分を受け入れてくれない。このエルトン・ジョンの抱える計り知れない孤独が見ていて胸に突き刺さった。数々の美しい曲を世に放つ奥で彼はここまで深い苦しみを背負っていたのかとただただ悲しくなった。

しかし、苦しみながらも、エルトンはやがて本当の自分と向き合おうとする。そして、彼は人生を変えるためにある選択をする。

孤独な天才アーティストがたどった人生は決して楽なものではなかった。だが、もがきながらも彼は生き続けようしていた。

苦しみながらも生きようとするエルトンの姿は、見ていて心が揺さぶられるものであり、彼の人生に光がさすことを祈らずにはいられなかった。

エルトン・ジョンを演じるタロン・エガートンの見事な歌声とパフォーマンスは必見!

本作はミュージカル仕立てになっている。劇中を彩るのは、もちろんエルトン・ジョンの楽曲の数々。

エルトンの代表的作品の『ユア・ソング』や映画のタイトルになった『ロケット・マン』、さらに『クロコダイル・ロック』『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード』など、さまざまな名曲を楽しむことができる。

劇中で歌を披露するのは、エルトン・ジョンを演じるタロン・エガートン。正直、私は映画を見る前は「歌は本人のもので別によかったのでは…?」と、エルトン自身の歌ではないことを少し残念に思っていた。

けれど、実際に見た映画では、「残念」と思う場面はまったくなかった。

エルトン・ジョン本人も認めたというエガートンの伸びやかな歌声は心地よく耳に響いた。そして、ステージ上でのダイナミックなパフォーマンスは、まさに若かりし頃のエルトン・ジョンを思わせるパワーにあふれたものだった。

力強い演奏と歌声とステージングで聴衆を魅し続けたエルトン・ジョンに体当たりでなりきっていたエガートン。彼の演技は、まさに必見もので本作の見どころの一つ。見た人は彼の見事ななりきりっぷりとパフォーマンスに驚くに違いないと思う。

聡明なアーティスト・エルトン・ジョンに感謝を

私自身、エルトン・ジョンは昔からずっと好きで、尊敬してやまないアーティストの一人。

私が耳にしてきた彼の曲は、いつでも良質だった。

本作を見る限り、おそらく孤独と悲しみの中で書き上げた楽曲もあったのではと思う。

でも、私は彼の曲を聴くときは、そこに美しさと決して下品にならない良質さがあるといつも感じていた。

だからこそ、曲を耳にするたびにきっと聡明な人に違いないと信じていた。

そして、本作を最後まで見たときに、「やはり彼は聡明だった」と確信することができた。

栄光を手にするも孤独に蝕まれて堕落してしまうエルトン。けれど、堕落に支配されたままでいるほど彼は愚かではなかった。映画のラスト、彼が自身の人生と向き合い、アーティストとして人間として再生の道を歩みだしていく姿はただただ感動的で涙がこぼれた。

ファンの一人として、彼が絶望から立ち上がり、生きることをあきらめなかったことが本当にうれしくて、そして、この作品を通してエルトンのたどった軌跡を見届けることができたことは大きな感動と喜びだった。

ありがとう、エルトン・ジョン。

あなたが人生を歩み、苦しみながらも曲を書き、歌い続けたことが、音楽をより良質な価値のあるものにしてくれた。

あなたの歌は、私たちの大切な歌。

田下愛
ライター:田下愛
映画と文房具、音楽を愛するライター。取材、インタビューなど多忙な仕事に奮闘中。趣味はヴァイオリン。→Twitter

「ロケットマン」予告映像

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