『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』は全観客に幸せを与える映画! その魅力と見どころを全力で語る!

おたのしみ

2016年の12月の放送開始時、深夜帯での放送にも関わらず高視聴率を上げ、日本中に空前の社会現象を巻き起こした人気ドラマ『おっさんずラブ』。

放送終了直後から、続編や劇場版製作への熱烈なラブコールが上がっていたのも記憶に新しいところですが、遂に待望の劇場版が完成!

8月23日より絶賛公開中の『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』は、テレビ版キャストの続投に加えて劇場版オリジナルキャストとして新たに2人が加入するなど、更にスケールアップした内容となっています。

それだけに、果たしてテレビ版のエンディングから物語がどう展開し、新キャストがどう関係してくるのか?色々想像しながら公開日を迎えたファンの方も多かったのではないでしょうか。

実際、予告編には予想外に派手な爆破シーンや、アジアの街並みが登場するなど、劇場版ならではのスケールの大きさを予感させてくれるのですが、その反面規模が拡大して肝心の恋愛要素が薄まっているのでは?そんな不安を感じたのも事実。

全国のファンが待ち望んだ今回の劇場版、果たしてどのような内容に仕上がっていたのでしょうか?

ストーリー


上海・香港転勤を経て1年ぶりに帰国した春田創一(田中圭)。久しぶりに戻ってきた天空不動産東京第二営業所では、上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)に最近配属された陽気な新入社員・山田ジャスティス(志尊淳)も加わり春田を歓迎する。

そんな彼らの前に、天空不動産本社のプロジェクトチーム「Genius7」のリーダー、狸穴迅(沢村一樹)が突如出現、東京第二営業所にもその一翼を担うよう通告する。

彼の隣には、本社に異動しチームの一員となった牧凌太(林遣都)の姿も…。一方、春田とコンビを組むことになったジャスティスは兄のように春田を慕い、さらには黒澤もある事故がきっかけで突然“記憶喪失”に!

そんな中、天空不動産を揺るがす前代未聞の大事件が発生!果たして、春田の運命は…!?

ズバリ、見どころはここ!

今回の劇場版公開は、ファンにとってテレビシリーズ終了後の喪失感を埋めてくれる、何よりの贈り物。

それだけに一つ心配だったのは、無理に付け足した様なその後の展開や、劇場版ならではのスケールの拡大が逆に最終回の余韻や観客の期待を台無しにしてしまった、過去に公開されたテレビシリーズ劇場版の記憶でした。

そのため、実際に劇場で鑑賞するまでは期待と不安が半々だった、そんなファンの方も多かったのではないでしょうか。

でも大丈夫、本作に関してそんな心配は一切不要!

公開初日、既にネット上には絶賛と高評価のレビューが並んでいたことが証明している通り、テレビシリーズを応援してくれたファンへの感謝と、登場人物たちへの愛情で作り上げられた、この『劇場版おっさんずラブ』は、文字通り観た人が幸せな気持ちで劇場を後にできる作品に仕上がっているのです!

映画冒頭で登場する、香港を舞台にしたスピーディーなアクションシーンの中だけで、周囲の人々に愛される春田の誠実な人柄を観客に理解させるのも見事なのですが、特に素晴らしかったのが、今回新たにキャストに加わった志尊淳沢村一樹のイメージを逆手にとった仕掛けや、劇場版で登場する新キャラクターの存在が、せっかく浸透したテレビシリーズの人間関係や世界観を壊したり混乱させない配慮が施されている点でした。

加えて、最終的に全ての登場人物が成長し、新しい人間関係や将来の夢に対して一歩踏み出す展開や、続編への期待を持たせるエンディングには、「もう一度観たい!」と思った方も、きっと多かったのではないでしょうか。

単なるラブコメ映画の枠を超えて、自分の気持ちは口に出さないと相手に伝わらないことや、将来起こりうる様々な問題や困難を心配して相手に遠慮したり消極的になるのではなく、今この瞬間の素直な気持ちに従って行動することの大切さを、観客に教えてくれる本作。

テレビ版のラストから、果たして3人の関係はどうなったのか?そして、愛すべき脇役たちのその後の人生は?

最終回放送後、ファンの胸に残る様々な疑問や期待に見事に応えてくれた、この『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』。

名シーンと名セリフの連続に、繰り返し鑑賞したくなることは確実な傑作なので、全力でオススメします!

最後に

公開初日にツイッターで目にした、「鑑賞後、きっと自分の大切な人に素直な気持ちを告白したくなる映画」との感想が、この映画の魅力と本質を見事に表現していると思わずにはいられなかった、この『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』。

前述した「自分の素直な気持ちは言わないと伝わらない」というテーマも重要なのですが、同じ『おっさんずラブ』を愛する大勢の観客たちが、劇場の大スクリーンでこの喜びと感動を共有する!という一大イベントを、ファンの皆に楽しんでもらうこと。

実はこれこそが、今回劇場版が製作された最大の理由であり、応援してくれたファンへの贈り物だったのではないでしょうか。

男同士のラブコメという体裁を取りながらも、実は本作で描かれるのは、誰でも一度は経験したことのある仕事と恋愛の板挟みや結婚に対する不安など、男女の性差を超えて多くの観客が共感させられる現実的な問題に他なりません。

そんな等身大の恋愛問題に真剣に悩み、相手に対して真摯に向き合おうとする主人公たちの姿!そこに多くのファンが魅了され、理想のパートナー関係を見ることができるのも、『おっさんずラブ』の大きな魅力と言えるのです。

ただ、テレビ版の名シーンが劇場版の重要なシーンへの伏線として登場するため、やはりテレビシリーズを観てから鑑賞された方が、本作をより深く楽しむことができるかも知れません。

もちろん、笑いの部分でも大幅にスケールアップしている本作。

吉田鋼太郎のアドリブが続出する”うどん屋”のシーンや、一歩間違えれば長すぎると思われかねない”サウナ”での鉢合せシーンも、出演キャストの抜群のチームワークによって爆笑必至の名シーンに仕上がっているので、是非劇場でご確認頂ければと思います。

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滝口アキラ
ライター:滝口アキラ「シネマズPLUS」公式コラムニスト、雑誌「昭和40年男」ライター。専門は映画コミカライズ研究。