全米で大ヒット中!スリラー映画『アス』ーもうひとりの自分が襲いかかってくる…!

アスus おたのしみ

もし、自分と瓜二つの人物が突然襲いかかってきたら…? トラウマ級の予告編と不気味で謎多きストーリーラインに惹きつけられた映画ファンも少なくないだろう。

あの『ゲット・アウト』で一躍有名になったホラー界の新たな鬼才、ジョーダン・ピール監督の最新作ということもあり、全米ではなんと初登場1位、米映画レビューサイトでは驚異の94%の大絶賛を記録。

そんな『アス』が現在日本でも公開中。深く知れば知るほど驚かされる本作の見どころと、重要キーワードを今回はご紹介する。鑑賞した人も、鑑賞前の人もぜひ参考にしてもらいたい。

あらすじは?

1986年のカリフォルニア州サンタクルーズ。アデレードは両親とビーチにある遊園地へと出かけるが、迷子になってしまい “ビジョン・クエスト”という名のミラーハウスへと迷い込む。そこで鏡に映る自分の他に、自分とそっくりな少女がいることに気づく。ようやく親に見つけられたアデレードだったが、心に深い傷を追ってしまう。

現在、アデレードは夫のゲイブと娘のゾーラ、息子のジェイソンと幸せに暮らしていた。とある夏休み、家族でかつて住んでいたサンタクルーズの家を訪れることに。昔のトラウマを徐々に思い出したアデレードは、次第に “何かがおかしい”と感じ始める。その夜、家の前に自分たちとそっくりな家族が無言で立ちすくんでいるのを目撃し……。

究極の不気味さと軽いジョークの絶妙なコントラストが見どころ

ある日突然、自分と瓜二つの人間が襲いかかってくる。一体理由は?目的は何なのだろうか……

なにもかも不気味で不可解なままストーリーがテンポよく進んでいく。不気味なストーリーの中に、所々ちょっとしたジョークが入っているから、奇怪さがよりプラスされている。

冒頭でウサギを永遠と映し出すシーンは、正直なところ、とんでもなく不快で思わず目を反らしたくなるほどだ。

そんなシーンから始まるのにも関わらず、ずっと観客の心を掴んで離さないのは、究極の不気味さと軽いジョークの絶妙なコントラストが理由なのかもしれない。

監督・脚本・製作を務めたジョーダン・ピールは幼少期にドッペルゲンガーが怖かったとインタビューで明かしていた。誰にでも二面性があり、「もしドッペルゲンガーの家族があったら?」という考えからアイデアが溢れ出てきたそう。

重要な背景1 「エレミヤ書11章11節」

さて、本作のカギとなるワードがいくつかあるので、ご紹介しよう。私が本作を鑑賞した際に、「予習しておけばよかった!」と深く後悔してしまうほどの重要なワードなので、ぜひおさえておこう。

まず一つ目は「エレミヤ書11章11節」だ。「エレミヤ書」とは、旧約聖書の一書であり古代ユダヤの預言者であるエレミアが筆者だそう。

エレミヤ書の中で11章というのは、「破られた契約」について書かれているのだとか。「この契約のことばを聞かない者は、のろわれよ」とも記されているそう。

もう鑑賞済みの方でも「エレミヤ書」11章の内容を少し勉強してから本作をもう一度観ると、がらっと視点も変わって面白いだろう。

重要な背景2 1980年代の「ハンズ・アクロス・アメリカ運動」

冒頭のテレビ画面のシーンで移されているのは、実際に1986年に起こった「ハンズ・アクロス・アメリカ運動」だ。

これは、アメリカの西海岸から反対側の東海岸まで約600万人の人が15分間、手をつないだという慈善活動なのだが、このシンボルマークは、当時7歳だったジョーダン・ピール監督にトラウマ的な印象を残したそう。

理由はわからないけど怖かった、一方でこのイベントのころからアメリカの貧富の差は拡大していったと監督はインタビューで語った。

そんな少年時代のピール監督が感じた “恐怖”をそのまま映像化されているのかもしれない。ピール監督が7歳のときに感じた「理由はわからないけど、なんだか怖い」という印象を本作で受ける人はたくさんいるだろう。

観る人によって変わる “US”

本作は、まるで不思議の国のアリスのような、気づいたら不可解な世界に入り込んでいたという気分も味わえる一方で、前述した「ハンズ・アクロス・アメリカ運動」やアメリカの貧困の差に触れている作品でもあり、そして、自分がなんだか怖くなってしまう作品でもある。

本作は「アメリカ」を意味するUSなのか、「自分たち」を意味するUSなのか、観る人の印象の受け方によって意味が変わってくるハズ。

怖いけど最強な魅力を放つ一本。ぜひ大スクリーンでこの衝撃を味わってほしい。

『アス』公式サイトはこちら

トキエス
ライター:トキエス
映画ライター。兵庫県出身。サスペンス・スリラー作品記事をメインに執筆。趣味は海外映画のロケ地巡り。

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