「二大眼球俳優」窪田ギョロ孝と堺ほそ人の狂演・堺雅人主演『ジョーカー ~許されざる捜査官~ 4話』

おたのしみ

「忙しい人のための1話だけ観ても面白いドラマ回」、第2回目は堺雅人主演・『ジョーカー ~許されざる捜査官~ 4話』です。

『ジョーカー ~許されざる捜査官~』は「昼はひょうひょうとしていて情けない警察官・伊達一義が夜は法の裁きを逃れた犯罪者に闇の裁きを下す制裁者になる」という、いわゆる「ダークヒーローもの」にあたるドラマ。堺雅人さんのほかに錦戸亮さん、杏さん、大杉漣さん、鹿賀丈史さん、りょうさん、平山浩行さんなどが出演しています。

このドラマが単なるダークヒーローものと明らかに違う部分は「ギリギリまで真実を追い求める」ということ。伊達はただただ本能の赴くままに悪人を裁くのではなく、法で裁ける可能性が0.1パーセントでもあるなら最後の最後まで警察官として捜査する。そのうえで理不尽にも立件を免れてしまったクソウンコハナクソゴミカス犯罪者どもを裁く、というのが伊達のルールなのです。

それをふまえたうえで今回おすすめするのは「第4話 無差別殺人に隠されたナゾ」。ジョーカーはその性質上、話の核である事件部分をできる限り「胸糞悪く」描く必要があるのですが、4話は全話のなかでも屈指の胸糞、常軌を逸した圧倒的な胸糞、先ほど「おすすめ」と銘打ちましたが、このドラマ、決して万人におすすめできる作品ではありません。これを観てきっと嫌な気分になる人もいるかと思います。ただ、ドラマとして本ッッッッッッッ当に面白い。正直観てほしいけど観てほしくない、観てほしくないけど観てほしい、押してほしくないけど押してほしい、自分のなかにいるダチョウ倶楽部上島竜兵が暴れてます。助けてくれジモン。※このドラマに寺門ジモンさんは一切出演しておりません

4話のおもしろ、もとい胸糞ポイントはなんといっても犯人役・椎名を演じた窪田正孝くんにあります。椎名は無差別殺人をしておきながらも心神喪失で無罪確定、しかし事件には不可解な点が多々あり、椎名は明らかな動機があって事件を起こした可能性が浮上、すなわち「心神喪失を装っていた」ということになる、つまり「法の裁きを逃れた犯罪者」……という話なのですが、窪田正孝マジでどうかしてんじゃねぇかってくらいのサイコっぷりを見せてくれてます。

僕はこのドラマで初めて窪田正孝という俳優を知ったのですが、椎名の衝撃があまりにも強すぎて未だに彼がどんな好青年役をやろうが、どんなに優しい笑顔をしていようが「絶対ウラで誰か殺ってるだろ……なぁぁぁあにがラストコップだよなぁぁああにがヒモメンだよと、テメェのその小難しい「窪」の字のさんずいと土2つ跡形もなくぶっ壊して「穴」にしてやっからなぁぁああああああああ!!!!!!」と身体中の血管という血管が浮き出ながら毎回思います。

そのくらいイカレにイカレた演技を見せてくれます。特に注目してもらいたいのが彼の「眼球運動」のすごさ。話しかけられているのに焦点をまったく合わせず目ン玉だけをギョロギョロさせるその動き、心神喪失じゃないと確信を突かれたあとセリフを一言も発せずそれが演技だったということを視聴者に伝える目ぇ「ギョロッ!」からの「スン…」の切り替わり、完全に「窪田ギョロ孝」。気味悪すぎて胃中の胃液という胃液が出尽くす。

…しかし、そんなギョロ孝にも当然裁きの鉄槌は下されます。被害者、遺族、捜査関係者…彼らの溜まりに溜まった怒りがわれわれ視聴者にも伝染し、メーターがMAXブチ破って雲突き抜けたタイミングで伊達による決めゼリフ、

「お前に明日は来ない……」

バスッ………!(銃声)

ドサッ………

これにてェェ〜〜〜!一、件、落、着ゥゥ〜〜〜!

…と簡単にならないのがこのドラマの、そして俳優・堺雅人の真の凄さ。罪を決して許さない怒りの表情と迷いと悲しみを帯びた憂いの表情、そのすべてを内包した伊達の絶妙な「ほそ目」によって、これは本当に「正義」なのか、それとも犯人たちとなんら変わらない「悪」なのか、それをわれわれに問いかけてくるのです。
そう、窪田ギョロ孝と堺ほそ人、この「二大眼球俳優」の共演、いや狂演。これこそがジョーカー4話の最大の見どころです。

決して気軽に観られるドラマではありませんが、確実に自分のなかに何かを「落とす」作品になっているので気になった方はぜひその目を凝らしてチェックしてみてくださいね。

かんそう
ライター:かんそう
1989年生まれ北海道札幌市在住。ブログ『kansou』(king and soul)であらゆる「感想」を書いている。