内向的で面倒くさい男を演じさせたら天下一品?高橋一生の演技が光る『九月の恋と出会うまで』

おたのしみ

こんにちは、公式ライターの愛です。

今回は絶賛公開中、あの高橋一生さんが初のラブストーリー映画主演を果たした『九月の恋と出会うまで』をご紹介します!

『九月の恋と出会うまで』あらすじ


芸術を好む住人たちが暮らすちょっと変わったマンションに引っ越してきた志織(川口春奈)。ある日、住んでいる部屋の壁の奥から男の声が聞こえてくる。一年先の未来にいるというその男は、志織に「危険が迫っている」と告げ、同じマンションに住む青年・平野進(高橋一生)を尾行してほしいと頼む。

戸惑いながらも平野を尾行する志織だったが、ある日、尾行を終えて帰ってくると、部屋は強盗が入った後だった。尾行をしていたおかげで強盗に殺されずにすみ、壁の声のおかげで命を救われた志織。しかし、相談を受けた平野は、志織が助かったことで「タイム・パラドックス」が生じ、一年後に志織の存在が消えてしまうかもしれないことに気が付く。

志織が助かるためには、未来の声の主を探して一年後に志織への呼びかけを再現するよう頼まなくてはいけない。未来の声の男の正体を突き止めようとする志織と平野だったが、二人はいつしかお互いに惹かれあっていき――。

面倒くさい不器用男子を見事に演じきった高橋一生

端正な顔立ちに物憂げな表情。はにかんだ笑顔の愛らしさ。高橋一生という俳優の魅力はあげようと思えば、いくらでもあげられる。けれど、彼の真髄はなによりもあの類まれなる演技力にあると思う。

筆者が高橋一生の演技を最初にきちんと目の当たりにしたのは大河ドラマ『おんな城主直虎』だった。彼が演じた小野但馬守政次は、主人公・直虎をそばで支えたいのに、自分の立場上それをしてはならないジレンマを抱える内向的な男。多くを語らず、表情や態度の節々から直虎を想う愛情がじんわり伝わってくる…という役どころを見事に演じて、ドラマの中で強烈な存在感を残した。

本作で彼が演じる平野は、作家を志している、ちょっと面倒くさい文系男子だ。

主人公・志織との最初の出会いでは不愛想な態度。その後も、志織に理屈っぽい言葉を並べて抗議しにきたり、ぶつぶつ文句をつけたりする。文学オタクで、タイム・パラドックスに非常に詳しいところも、見ようによってはちょっとうざいと感じさせる。

志織と親しくなってからも、うまく目を合わせられなかったり、ちょっと挙動不審な感じを見せたりする。そして、自分が志織にとっての運命の相手ではないのだと内向きになり一方的な「僕はもう小説に専念する」宣言で距離を置こうとしてしまう。

正直、筆者は映画を観ている時間の半分くらい、平野に対して「面倒くさい男だなあ」と鬱陶しさを覚えるばかりだった。彼が志織への想いにふたをしてしまうところはまさにその境地で「ああ、もうなに一人でこじらせているんだか!」と、イラっとした。

けれど、その一方で、平野という男は、髪に寝ぐせがついたままだったり、カフェで一人で大きなパフェを注文したりと、どこか隙があって、その人間味にクスっとしたり、心がほっこりする瞬間もあった。そして、熱を出して寝込む志織のために文句を言いながらもおかゆを作ったり、サプライズでキーケースのプレゼントを差し出してみせたりする不器用な優しさには、志織ならずともきゅんと心を動かされるところがあった。

無愛想で理屈っぽい文学オタク。作家志望ということでボキャブラリー自体は豊富らしく、口からいろいろと言葉を出してはくるけれど、自分の本心となるとうまく伝えることができない平野。このこじらせ度やがやや高い不器用な青年の心情を、高橋一生は声のトーンやちょっとした表情の変化など、細かいところまできちんと作り上げて演じていた。

物語の終盤、平野が自分の中にある想いと向き合わなくてはいけなくなる場面でも、感情をあらわにすることに慣れていない彼が自身の本音をもてあましてやりきれなくなる激しさ、こみ上げてくる抑えきれない愛情などを、見事に表現してみせた。

『おんな城主直虎』のときと同様、内向的で不器用な男子を見事に演じきっていて、こういう面倒くさい男を演じさせたら、彼は天下一品だと改めて思った。

『九月の恋に出会うまで』は、高橋一生演じる不器用な青年が、愛する人をタイム・パラドックスから守るために、時空を超えた未来に立ち向かい、本当の愛情を見つけていく物語。俳優・高橋一生の演技力がいかんなく発揮されているので、観る人はきっと彼の役者としてのうまさに魅せられると確信している。

余談だが、作品を見終わって、タイム・リープを題材にした名作小説『時をかける少女』がまた映像化されることがあるなら、高橋一生が深町一夫を演じてくれないだろうかと思ってしまった(一夫は学生で、年齢的にちょっと無理があるので、もしもやるならば、大人になった一夫…のような設定の後日談がいいかもしれないが)。

彼が本作で演じたタイム・バラドックスに詳しい文学オタク・平野進は、『時をかける少女』もきっと読んでいたに違いないと思うから。

田下愛
ライター:田下愛
映画と文房具、音楽を愛するライター。取材、インタビューなど多忙な仕事に奮闘中。趣味はヴァイオリン。

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