「娼年」は、性に悩む女性を松坂桃李が幸せにする映画!その素晴らしさと見所を全力で語る!

おたのしみ

先日発表された第42回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を、見事『孤狼の血』の演技で受賞した松坂桃李。
確かにその迫力ある演技を見れば、今回の受賞結果も納得出来るというもの。
そこで今回は、石田衣良の同名小説を三浦大輔監督、松坂桃李主演で完全映画化した、2018年公開の話題作『娼年』を取り上げてみようと思います。

舞台版に続き、松坂桃李が再び主役を演じたこの映画版は、彼が全裸で挑んだ激しい濡れ場の連続のためか、何と劇場公開時はR18というレイティングに!
そのために上映劇場も限られ、更に上映時間の半分以上は激しい濡れ場!なだけに、興味はあるけど観に行けなかった、そんな方も多かったのではないでしょうか。

でも、大丈夫!前回紹介した『ダブルミンツ』と同様、今や動画配信サービスを使えば、ご自宅やスマホでも手軽にこの映画を鑑賞出来るのです。
実は公開当時劇場で鑑賞した時は、予想よりも多くの女性が来場されていたのが印象的だった本作ですが、果たしてその衝撃的な内容とは?

あらすじ紹介


幼い頃に突然母親を亡くしたトラウマにより、日々の生活や女性との関係に退屈したまま日常を送っていた東京の名門大学生、森山領(松坂桃李)。ある日、領がバイトしているバーに現れた、御堂静香という年上の女性との運命的な出会いにより、領は静香の経営する会員制ボーイズクラブで、娼夫・リョウとして女性をエスコートする仕事を始めることになる。仕事として様々な女性と接する中で、彼女たちの中に隠されている欲望や女性の奥深 さに、 次第にそれまでの考え方を 変えていく領。彼は雇い主である静香に母親の面影を感じ、一人の女性として次第に惹かれていくのだが・・・。

ズバリ、見所はここ!

最初に触れた通り、公開当時は松坂桃李の勇気ある熱演(過激な濡れ場)が話題となり、そこに 人々の興味が集中してしまった感が強い本作ですが、実はこの映画の見どころは、決してそれだけではありません。

確かに、映画の冒頭 から 登場する激しい濡れ場には、観る側も若干居心地の悪さを感じてしまいますが、その裏側 に隠された真のテーマが次第に明かされていくにつれて、観ている我々の固定観念や偏見も、次第に変化していくことになるのです。

娼夫となった領の顧客となるのは、他人には 打ち明けられない嗜好 や性癖を持つ女性たち。彼女たちは皆、自分の本能や欲 望を胸の底に隠しながら、他人の目を気にして怯えるように生きています。

彼女たちの様に、親しい友人 や家族にも打ち明けられない秘密を抱えて社会生活を送ることは、例えるなら永遠に仮面 をつけて生きなければならない、無限に続く拷問 の様なもの。
そんな彼女たちにとって唯一の心の避難所、あるいは息継ぎ の場として必要とされるのが、領の様な仕事なのです。

何故なら、自分と面識の無い他人が相手で、更にそこにお金 が介 在するからこそ、自身の真の姿や欲望をさらけ出した時に拒否 されて傷つくというリスクが避けられて、好奇の目で見られないという安心感が得られるからです。

ありのままの自分を出したい、周囲 の人にそれを受け入れて欲しい。きっと誰もが、そんな想いを抱えて生活しているはず。

そんな彼女たちの全てを普通 の男である領が受け入れてくれるからこそ、自分が決して特殊な存在では無いと思えて心の平穏を取り戻した彼女たちは、再びそれぞれの日常へと戻って行けるのでしょう。

ただ、 残念ながら原作小説からの変更点や、削られた 登場人物・エピソードも多いため、ラストの肖像画の意味や、何故デートクラブが摘発されたか?など、観ていて疑問に思う部分も多かった本作。

ちなみに原作小説では、その後の物語として「逝年」「 爽年」の 2冊 が刊行されていますので、前述した疑問の答えや、領や静香たちのその後の物語をもっと知りたい!と思われた方は、是非この機会に原作小説の世界にも触れてみては?

最後に

前回紹介した『ダブルミンツ』と同様、女性が劇場で鑑賞するには、ちょっとハードルが 高いのでは?そう思われた本作。しかし、その内容は決して興味本位で性を取り上げたり、過激な濡れ場をセールス ポイントにする様な、志の低いものではありませんでした。

何故ならば、幼い頃の母親の突然の死によって母から見捨てられたというトラウマを心に負い、女性に対して無関心で軽蔑さえ抱いていた領が、女性相手のデートクラブという仕事を通して、女性という存在 に正面から向き合い理解しようとするまでに成長する過程を描く作品となっていたからです。

「他人から必要とされることで、初めて人は自身の存在価値と喜びを実感することが出来る。」

領が 顧客の女性のありのままの姿や欲望を受け 入れて 決して否定しないのは、それが母親に認めてもらうことの代償行為であり、求めても得られなかった母親からの承認欲求が満たされることで、自身が価値ある存在だと再確認出来るからに他なりません。

言うならば、この映画に登場する 過激な濡れ場や性描写は、領にとっては女性とのコミュニケ ーションの手段であり、本作が描こうとする「一人 の青年の 成長 の物語」には、今や重要な映画のテーマとなっている「多様性」と「他者 とのコミュニケ ーション」という要素が隠されているのです。

この作品が激しい濡れ場の連続でありながらも、鑑賞後にどこか爽やかな余韻を残してくれるのは、やはり「性」を通して女性が解放され幸せになって行く姿を、ち ゃんと描いているからなのでしょう。

この記事を読んで作品に興味を持たれた方は、どうかその激しい性描写の裏側に隠された真のテーマを感じ取って頂ければと思います。

滝口アキラ
ライター:滝口アキラ
「シネマズPLUS」公式コラムニスト、雑誌「昭和40年男」ライター。専門は映画コミカライズ研究。

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娼年

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