小栗旬のストレスメーターぶっ壊れドラマ BORDER最終話

おたのしみ

「忙しい人のための1話だけ観ても面白いドラマ回」、第3回目は『BORDER 最終話』です。小栗旬さんが主演、ほかにも青木崇高さん、波瑠さん、遠藤憲一さん、古田新太さん、野間口徹さん、浜野謙太さんなどが出演しています。

まずはこちらをお読みください。

「人は死んだらどこに行くんだろう…僕はある事件に巻き込まれ頭に弾丸を撃ち込まれた…。頭の中を半周した弾丸は脳底動脈のスレスレで止まり奇跡的に命を取り留めた…。ただ、その弾丸を取り除く手術は困難で、僕はしばらくこの弾丸と共に生きていくことになった…。
その結果、僕は…

死者と話せるようになった……。」

これを毎回小栗さんが説明してくれるのですが、なんという親切設計。あれ…この手法、どこかで見覚えがないでしょうか。

そう、『名探偵コナン』の映画のオープニングです。

「俺は高校生探偵、工藤新一。幼なじみで同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、黒ずくめの男の怪しげな取り引き現場を目撃した…。取り引きを見るのに夢中になっていた俺は、背後から近付いて来る、もう一人の仲間に気付かなかった…!俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら体が縮んでしまっていた!!」

もろこのやり口。主人公自らが己の状況を視聴者に説明することで、初見でもスッと物語に没入しやすくなるこの画期的なシステムを採用しているのがこのドラマ。そして奇しくも小栗さんはかつて実写版名探偵コナン『工藤新一への挑戦状~さよならまでの序章(プロローグ)~』『工藤新一の復活! ~黒の組織との対決(コンフロンティション)~』で工藤新一役を務めており、この流れはもはや必然。

ドラマ『BORDER』の異端なところ、それは主人公・石川安吾が「めちゃくちゃ早い段階で犯人にたどり着く」というところにあります。石川が死体のそばをうろついている「中の人」を見かけたアズスーンアズで、

「ねぇ誰に殺されたの?誰?犯人誰?ねぇねぇ?誰?誰?」

って聞くので事件によっては一発で「妻に殺されました」「バイト先の客に…」「元カレに…」「おもちゃ屋のお兄ちゃんに…」って秒で真相にたどり着いちゃう。だから犯人側や同じ捜査員側からしたら、

「えっなにコイツ…。なんでこの段階でそんなことわかんの…?えっえっ。うわヤバ」

と、ちょっとした恐怖みたいなものを石川に感じてしまいちょっと浮いてきちゃうんですね。最初は石川もいち警察官としてまっとうな捜査するんですけど、なかなか決定的な証拠が出てこない。でも犯人はわかってる。だから「……よし…証拠なきゃ作っちゃお…」っていかにもな闇の仲間に、

「ちょっとパソコンハッキングしてデータ全部抜き取っといて」
「ちょっと犯人の部屋忍び込んで証拠品パクってきて」

ピザ頼むみたいな軽いノリでガンガン違法捜査に手染めちゃう。それで結果として犯人逮捕できちゃって、そしたらもう普通の捜査するの馬鹿らしくなるじゃないですか。しかも、回を増すごとに被害者への感情移入増してきちゃうんですね。だって死体の前で「なぁ!おい!早く犯人捕まえてくれよ!!!!!!!!!!」ってめっちゃお願いされて、自分がいかに無念を残して死んでいったか、みたいな話を延々聞かされたりする。遺族が息子の死体見て泣いてる横で石川にしか見えないその息子が地獄の悲しい顔してうつむいたりしてる。もう石川のストレスが半端じゃない。

こうなってくると、

1.「死者と話して入れ込む」
2.「なにがなんでも犯人を捕まえたい」
3.「決定的な証拠がない」
4.「違法捜査しちゃお…」
5.「犯人逮捕できちゃった (ゝ☆ω・)vキャピ」
6.「刑事さんありがとうこれで浮かばれます」の完全な悪ルループ。

さらにタチ悪いのがどんなに証拠を集めても違法捜査を尽くしても「逮捕できない」奴らも出てくるんですね。もう石川のストレスメーターがマッハで溜まっていくのがわかります。どんどん顔がやつれ肌も汚く目つきも悪くなるし。絶対小栗旬この撮影中草しか食ってない。

そんな石川の人物像をふまえて今回紹介するのは最終話『越境』。どんどん「正義」という名のくすんだ光が強くなる石川。彼のストレスメーターがMAXになったときに相対するのが「自称・絶対的な悪」安藤。演じるのは霊長類最強女子の旦那こと大森南朋さん。

コイツは「犯罪をするためだけに生きている」という、小3男子がじゆうちょうに書いた「ぼくのかんがえたさいきょうのはんざいしゃ」を体現したようなサイコオブサイコで、石川の違法捜査をヒラリヒラリとことごとく躱し続けます。

そして死ぬほど腹立つ顔してこう言い放ち、石川のストレスメーターがぶっ壊れます。

「私が絶対的な悪を成す…
そしてあなたは中途半端な正義を実践しようとして、常に私に敗北する…
これからも正しい関係でいましょう…」

「わかったでしょう…実は正義や悪に対した違いはないんです…。
あるとすれば、実際に行う者の違いだけです…。
つまり…私が有能であなたが無能ということです…。
私は絶対的な悪を成すために、これまで長い準備期間を費やしてあらゆる犯罪を研究し尽くしました…。
無能なあなたにたやすく捕まるわけにはいかないんです…」

なんだこいつ……。

…生きている人間でありながらも死者と関わることのできる唯一の存在「生と死の境界線」、刑事でありながら犯人逮捕のために違法捜査に手を染めていくという「正義と悪の境界線」、そんなBORDERのはざまに立っている石川が最終的にどんな決断を下すのか……。本格クライムサスペンス『劇場版名探偵コナン小栗の妻山田(ワイフイズマウンテンライスフィールド)』、じゃなかった『BORDER』、ぜひチェックしてみてくださいね。

かんそう
ライター:かんそう
1989年生まれ北海道札幌市在住。ブログ『kansou』(king and soul)であらゆる「感想」を書いている。

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